格付け・更新 2026-11-02

牛肉のBMSは霜降り(脂肪交雑)を12段階で見る基準。No.8以上で脂肪交雑は5等級です。

霜降りの牛肉
霜降りの牛肉(Mike Choi/Unsplash License)
かんたんに言うと牛肉のBMS(ビーフ・マーブリング・スタンダード)は、日本食肉格付協会の牛枝肉取引規格で、霜降り(脂肪交雑)の度合いをNo.1〜12の12段階で判定する基準です。No.8〜12なら脂肪交雑は5等級、No.5〜7は4等級、No.3〜4は3等級、No.2は2等級、No.1は1等級になります。ただし肉質等級は4項目のうち低い方で決まるので、BMSが高くても5等級とは限りません。

和牛の通販や店の表示で「BMS No.10」「BMS12」のような数字を見かけることがあります。BMSは、格付のときに霜降りの入り方を写真の基準と見比べて付ける番号です。この記事では、日本食肉格付協会の資料から、BMS No.と肉質等級の対応、一緒に使われる肉の色の基準(BCS)と脂肪の色の基準(BFS)を表にしました。後半では、このサイトの銘柄データから、BMSの下限を条件にしている銘柄と、オレイン酸など別の物差しを条件にしている銘柄を並べています。

この記事のポイント

  • BMSは「ビーフ・マーブリング・スタンダード」の略で、日本食肉格付協会の牛枝肉取引規格の中の、脂肪交雑(霜降り)の基準です。No.1〜12の12段階です。
  • 脂肪交雑の等級は、BMS No.8〜12が5、No.5〜7が4、No.3〜4が3、No.2が2、No.1が1です。
  • 肉の色はBCS(No.1〜7)、脂肪の色はBFS(No.1〜7)で判定し、肉質等級5になるにはBCS No.3〜5、BFS No.1〜4の範囲に入る必要があります。
  • 協会の2025年の調査では、黒毛和牛の去勢牛26万9,724頭のうち、脂肪交雑が5と判定されたのは74.5%、肉質等級5は73.3%でした。
  • このサイトの95銘柄で、銘柄の条件にBMSの番号があるのは7銘柄です(例:神戸ビーフNo.6以上、佐賀牛は4等級ならNo.7以上、若狭牛No.4以上、愛媛あかね和牛No.3〜9)。

牛肉のBMSとは?霜降りの入り方を12段階で見る基準

BMSは、牛肉の霜降りの度合いを判定するための基準です。正式には「ビーフ・マーブリング・スタンダード(B.M.S.)」といい、日本食肉格付協会が定める牛枝肉取引規格の中で、肉質等級の項目の1つ「脂肪交雑(しぼうこうざつ)」を判定するのに使います。脂肪交雑は、赤身の中に網の目のように入った脂肪、いわゆるサシのことです。

判定する場所は、枝肉を6番目と7番目のあばら骨の間で切り開いた断面の、胸最長筋(ロース芯)です。格付員は、断面の霜降りを基準と見比べて、No.1からNo.12のどれに当たるかを決めます。協会は、基準をはっきりさせるために「写真による脂肪交雑基準」で判定すると説明しています。番号が大きいほど、霜降りが多いことを表します。

BMSは「牛肉」についての基準なので、「BMS 和牛」「BMS No.」のように牛肉の言葉と一緒に使われます。豚肉には別に、協会と家畜改良センターが作った豚肉の脂肪交雑基準(PMS)があります。

サシの入った和牛のサーロイン(近江牛)
サシの入った和牛のサーロイン(近江牛)(Syced/CC0)

BMSはいつからある?

協会の「牛枝肉取引規格改正の経緯」によると、BMS No.1〜12、肉の色のBCS No.1〜7、脂肪の色のBFS No.1〜7は、1988年(昭和63年)4月の大きな改正で今の15等級の規格と一緒に入りました。それより前の規格では、脂肪交雑は「+0」から「+4」の段階で表していました。

BMS No.と肉質等級の対応表

BMSの番号は、脂肪交雑の等級(5〜1)に次のように当てはめます。協会のサイトでは、言葉の基準と、昔の脂肪交雑の段階(0、0+、1-など)もあわせて示されています。

BMS No.と脂肪交雑の等級(日本食肉格付協会、2026年11月確認)
BMS No.脂肪交雑の等級協会の言葉評価の段階
No.8〜125かなり多いもの2+以上
No.5〜74やや多いもの1+〜2
No.3〜43標準のもの1-〜1
No.22やや少ないもの0+
No.11ほとんどないもの0

5等級の幅は広い

12段階のうちNo.8からNo.12までの5つが、脂肪交雑5等級に入ります。同じ「5等級」でも、No.8とNo.12では霜降りの量に差があります。銘柄が上の区分を作るときに、BMSの番号で線を引くのはこのためです。

肉質等級から見たBMSの範囲

逆に、肉質等級からBMSの範囲を考えると次のようになります。肉質等級は4項目のうち低い方で決まるので、等級が低くてもBMSの番号が高いことはあります。

  • 5等級(A5・B5・C5):BMSはNo.8〜12。ほかの3項目もすべて5
  • 4等級:BMSはNo.5以上。No.8以上でも、ほかの項目に4があればここに入る
  • 3等級:BMSはNo.3以上。霜降りが多くても、肉の色や締まりが3ならここに入る
  • 2等級:BMSはNo.2以上。1等級:どの項目かが1のもの

BMSが高くても肉質等級5とは限らない

肉質等級は、脂肪交雑・肉の色沢・肉の締まり及びきめ・脂肪の色沢と質の4項目をそれぞれ判定し、そのうちいちばん低い等級になります。BMSで決まるのは、このうち脂肪交雑の等級だけです。BMS No.12の枝肉でも、肉の色沢が4なら肉質等級は4です。

協会の「格付結果の概要」(令和7年次)には、去勢牛の枝肉の項目ごとの判定結果があります。2025年の黒毛和牛の去勢牛26万9,724頭で、5と判定された割合を項目ごとに見ると、下の表のとおりです。脂肪の色沢と質はほとんどが5で、5になるかどうかは脂肪交雑で分かれることが多いことが分かります。

品種による差も大きく出ています。同じ調査で、乳用種の去勢牛9万9,603頭では脂肪交雑が5と判定されたものはなく、3等級以上は6.2%でした。交雑牛の去勢牛12万4,829頭では、脂肪交雑5が4.1%、4が32.9%、3が54.4%です。脂肪交雑5の去勢牛の枝肉は、ほとんどが和牛です。

黒毛和牛の去勢牛の項目別の判定(2025年、日本食肉格付協会「格付結果の概要」)
項目5の割合4以上の割合
肉質等級73.3%95.4%
脂肪交雑74.5%96.7%
肉の色沢77.0%96.0%
肉の締まり及びきめ76.0%95.7%
脂肪の色沢と質97.8%99.9%

A5和牛の意味(歩留等級と肉質等級)

BCS・BFSとは?肉の色と脂肪の色の基準

BMSと同じように、肉の色と脂肪の色にも番号の基準があります。肉の色はBCS(ビーフ・カラー・スタンダード)、脂肪の色はBFS(ビーフ・ファット・スタンダード)で、どちらもNo.1〜7の7段階です。BMSと違って番号が大きいほど良いわけではなく、等級ごとに「この範囲に入っていること」が決まっています。

たとえば霜降りがBMS No.10でも、肉の色がBCS No.6と判定されれば、5等級の範囲(No.3〜5)から外れるので、肉の色沢は4等級以下になります。そうなると、肉質等級も4等級以下です。脂肪の色も同じで、BFS No.5なら脂肪の色沢と質は4等級以下になります。

  • 2等級は、BCS・BFSともNo.1〜7の範囲。どれにも当たらないものは1等級です。
  • 肉の色沢は「肉色」と「光沢」、脂肪の色沢と質は「脂肪色」と「光沢と質」をあわせて判定します。光沢や質には番号の基準はなく、「かなり良いもの」「やや良いもの」などの言葉の基準で判定します。
  • 肉の締まり及びきめにも番号の基準はなく、締まりの良さと、きめの細かさを言葉の基準で判定します。
BCS・BFSの番号と等級(日本食肉格付協会、2026年11月確認)
基準見るもの5等級4等級3等級
BCS肉の色No.3〜5No.2〜6No.1〜6
BFS脂肪の色No.1〜4No.1〜5No.1〜6

銘柄の条件にあるBMSの下限:神戸ビーフはNo.6以上

このサイトの銘柄データ(95銘柄)で、銘柄を名乗る条件そのものにBMSの番号が入っているのは7銘柄でした。多くの銘柄は「4等級以上」「3等級以上」のように肉質等級で条件を決めていて、BMSの番号まで決めている銘柄は少数です。

神戸ビーフは、GIの明細書で、歩留・肉質等級がA・Bの4等級以上で、脂肪交雑のBMS No.6以上と決めています。4等級はBMS No.5〜7なので、4等級のうちNo.5のものは神戸ビーフになりません。佐賀牛は、肉質等級5か、4等級でBMS No.7以上としています。協議会によると、2004年1月1日のと畜分から、5等級だけだった条件を4等級のBMS No.7以上まで広げました。条件に届かない4等級(BMS No.6以下)や3・2等級は「佐賀産和牛」として分けています。

神戸ビーフの素牛である但馬牛は、GIの明細書で歩留A・B、肉質2等級以上が条件です。同じ兵庫県の但馬牛のうち、肉質4等級以上・BMS No.6以上・枝肉重量499.9kg以下などを満たしたものが神戸ビーフになります。BMSの下限は、同じ牛の中で名前を分ける線としても使われています。

銘柄の条件にあるBMS(このサイトの銘柄データ、2026年11月)
銘柄BMSの条件ほかの格付の条件
神戸ビーフNo.6以上A・Bの4等級以上
佐賀牛4等級ならNo.7以上肉質5等級か4等級
若狭牛No.4以上肉質3等級以上
愛媛あかね和牛No.3〜9肉質3・4等級だけ

神戸ビーフ佐賀牛銘柄牛の比較表(等級の条件)

上の区分の条件にBMSを使う銘柄

銘柄の中に、さらに上の区分を作るときにBMSを使う例もあります。どれも、県や協議会が公表している条件です。

  • とちぎ和牛「匠」:とちぎ和牛(A・Bの4・5等級)のうち、BMS No.10以上でA等級のもの(栃木県)
  • 能登牛プレミアム:A5のうちBMS No.10以上のもの、またはA5でBMS No.8・9のものはオレイン酸含有率55%以上(能登牛銘柄推進協議会、2011年12月から)
  • 鳥取和牛オレイン55:鳥取和牛のうち、肉質4等級以上(BMS No.6以上)で、オレイン酸含有率55%以上、「気高」号の血統をもつもの

オレイン酸など、BMS以外の物差しを条件にする銘柄

BMSは霜降りの「量」を見る基準で、脂肪の成分は測りません。脂肪の色沢と質の判定も、見た目の基準です。そこで、格付とは別に脂肪に含まれるオレイン酸の割合を測り、条件に加える銘柄が増えています。このサイトの銘柄データでは、次の銘柄・区分がオレイン酸などを条件にしています。

能登牛プレミアムは、BMSとオレイン酸を組み合わせた例です。A5のうちBMS No.10以上ならそれだけで認定し、BMS No.8・9のものはオレイン酸含有率55%以上を求めます。みかわ牛は、銘柄の条件(肉質4等級以上など)を満たしたうえで、オレイン酸55%以上のものに枝肉の認証印と精肉パックの認証シールを付けています。協議会は、JAあいち経済連の測定で認定率は約30%と紹介しています。常陸牛 煌は、オレイン酸に加えて、霜降りの細かさを専用の機械で数字にした「小ザシ指数」を条件にしています。

格付のほかの物差しを条件にする銘柄(このサイトの銘柄データ、2026年11月)
銘柄・区分物差し条件
鳥取和牛オレイン55オレイン酸55%以上(2011年から)
能登牛プレミアムBMSとオレイン酸A5でBMS8・9なら55%以上
常陸牛 煌オレイン酸・小ザシ指数55%以上・110以上
みかわ牛オレイン酸55%以上で認証印
三ツ星若狭牛オレイン酸55%以上
奈良県プレミアムセレクトオレイン酸・肥育期間55%以上・32か月以上
信州プレミアム牛肉脂肪交雑とオレイン酸数値は公開資料で未確認

オレイン酸の値は測った場所の値です

鳥取県は、鳥取和牛オレイン55のオレイン酸を、格付と同じ6〜7番目のあばら骨の間の断面の筋間脂肪で1頭ずつ測っていると説明しています。部位によって値は違うので、すべての部位で55%を保証するものではない、とも書いています。このサイトでは成分の割合だけを扱い、体への効果は扱いません。

鳥取和牛能登牛

信州プレミアム牛肉は県知事が認定

信州プレミアム牛肉は、「信州あんしん農産物〔牛肉〕生産認定農場」から出荷された黒毛和種のうち、脂肪交雑とオレイン酸含有率が基準を満たすものを、長野県知事が認定する仕組みです。長野県の発表では、2009年度(平成21年度)から認定を始め、2025年度(令和7年度)は4,989頭を認定しました。基準の数値は、県の公開資料では確かめられていません。

赤身を格付し直す銘柄もある

土佐あかうしでは、土佐和牛ブランド推進協議会が独自の赤身肉の格付「TRB規格」を作り、枝肉格付がA2・A3のもののうち、ロースの大きさや皮下脂肪の薄さを測った値などで見直して、R4以上を「Tosa Rouge Beef」としています。BMSとは逆に、霜降りの少ない枝肉を別の物差しで評価する例です。

店や通販でBMSの数字を見るときのポイント

「BMS No.10」のような表示は、その牛の枝肉の格付で付いた脂肪交雑の番号です。数字の意味を知っておくと、表示から分かることと分からないことを分けて読めます。

  1. 肉質等級とあわせて見る

    BMSは4項目のうちの1つです。「A5・BMS No.10」のように肉質等級と並んでいれば、霜降りの番号と、4項目を合わせた等級の両方が分かります。

  2. どの部位の数字かを考える

    BMSはロース芯の断面で判定した番号です。同じ牛から取ったモモやバラも、霜降りの入り方は部位によって違います。

  3. 銘柄の条件と比べる

    銘柄ごとに条件のBMSの下限は違います。神戸ビーフならNo.6以上が条件なので、No.6の神戸ビーフもNo.11の神戸ビーフもあります。

  4. 好みで選ぶ

    BMSは霜降りの量の基準で、味の点数ではありません。赤身が好きなら、番号の低いものや、赤身を評価する銘柄も候補になります。

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つまずきやすいところ

  • BMSは味の点数ではありません。霜降りの量を写真の基準と見比べた番号です。
  • BMS No.12でも、肉の色や締まりが4なら肉質等級は4です。
  • BMSと肉質等級は1対1ではありません。脂肪交雑の5等級にはNo.8〜12の5つの番号が入ります。
  • BCS・BFSは、番号が大きいほど良いという基準ではありません。等級ごとに入るべき範囲が決まっています。
  • オレイン酸の割合は、格付協会の格付には入っていません。銘柄や県が別に測っている値です。
  • 「BMS」だけで検索すると、牛肉と関係のない言葉もたくさん出てきます。「BMS 牛肉」「BMS 和牛」で調べると探しやすくなります。

BMSの表示を見るときのチェックリスト

  • BMSの番号と肉質等級を両方確かめたか
  • その番号が脂肪交雑の何等級に当たるかを対応表で確かめたか
  • 部位がロースか、それ以外かを確かめたか
  • 銘柄の条件にBMSの下限があるかを、銘柄のページで確かめたか
  • オレイン酸などの表示は、どこで測った値かを確かめたか
  • 霜降りの好みに合う番号か(多いほど良いとは限らない)

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まとめ

  • BMSは日本食肉格付協会の牛枝肉取引規格の脂肪交雑(霜降り)の基準で、No.1〜12の12段階です。
  • BMS No.8〜12が脂肪交雑5等級、No.5〜7が4等級、No.3〜4が3等級、No.2が2等級、No.1が1等級です。
  • 肉質等級は4項目のうち低い方で決まるので、BMSが高くても肉の色(BCS)や脂肪の色(BFS)、締まりときめによっては5等級になりません。
  • このサイトの95銘柄では、神戸ビーフ(No.6以上)や佐賀牛(4等級ならNo.7以上)など7銘柄がBMSの下限を条件にしています。
  • 鳥取和牛オレイン55や能登牛プレミアムなど、オレイン酸の割合を条件に加える銘柄・区分もあります。

よくある質問

牛肉のBMSとは何ですか?

ビーフ・マーブリング・スタンダードの略で、日本食肉格付協会の牛枝肉取引規格で、霜降り(脂肪交雑)の度合いをNo.1〜12の12段階で判定する基準です。ロース芯の断面を写真の基準と見比べて決めます。

BMS No.いくつでA5になりますか?

脂肪交雑が5等級になるのはBMS No.8以上です。ただしA5になるには、歩留等級がAで、肉の色沢・締まりときめ・脂肪の色沢と質もすべて5と判定される必要があります。

BMS No.12がいちばん上ですか?

BMSの番号ではNo.12がいちばん霜降りが多い段階です。肉質等級では、No.8からNo.12までがすべて脂肪交雑5等級に入ります。

BCSとBFSは何ですか?

BCSは肉の色、BFSは脂肪の色の基準で、どちらもNo.1〜7です。肉質等級5になるには、BCS No.3〜5、BFS No.1〜4の範囲に入る必要があります。

神戸ビーフのBMSの条件は?

GIの明細書では、歩留・肉質等級がA・Bの4等級以上で、BMS No.6以上、枝肉重量499.9kg以下などが条件です。

オレイン酸はBMSと関係がありますか?

BMSは霜降りの量の基準で、オレイン酸などの脂肪の成分は測りません。オレイン酸の割合は、鳥取和牛オレイン55や能登牛プレミアムのように、銘柄や県が格付とは別に測って条件にしています。

BMSの番号は店で確かめられますか?

格付の明細は出荷者などに出されるもので、協会の牛枝肉格付結果証明書も消費者は対象外です。表示がない場合は、販売店に格付の内容を確かめられるか聞いてください。

出典・確認日

17件

制度・条件は変わることがあります。購入の前に、公式の最新情報を確認してください。

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